別記事にて狂い月の舞台、月に呪われし屋敷での満たちのストーリーと、そこでおこった呪われた過去を振り返りました。
参考にしているのは人気ゲーム実況者、キヨの実況動画です。
今回の記事ではすべてのストーリーを見たうえでの考察をまとめてみました。
本記事は完全ネタバレ記事となりますので、ストーリーをすべて見終わってから読むことをおすすめします。
またここでの考察内容はあくまで推測です。
はっきりとした真相は製作者様も公開しておりませんので、断定せずご自身でも考察を楽しんでいただけたらと思います。
※この記事はゲーム製作者さんに許可を得て書いております。
攻略につながるようなゲーム画面のスクリーンショット等は製作者さんが禁止されておりますので、パクリ記事のWEB上での公開は避けていただくようお願い致します。
【月の呪い】屋敷から出られる人・出られない人の違い
屋敷に入った者は閉じ込められてしまい、基本的にはドアを開けることができなくなります。
しかし、響也だけは「いつでも出入りできた」と発言していました。
ここで勘のいいひとは気づいたかもしれませんが、この屋敷を出入りできるのは【狂っている(サイコパス)状態】であることが条件とされています。
屋敷内で人々を殺めることを快楽的におこなっていた響也はまさに狂人。
だからいつでも出入りできたということです。
この条件を裏付ける行動をしたのが隼人。
隼人は康平の死をきっかけに情緒不安定になってしまい、動かなくなった康平を運び出そうとしていた時には、取り返しのつかないほどおかしくなっていました。
最初は隼人も開けられなかったはずの屋敷の扉を、康平の死後の隼人は開けることができるようになっていたのです。
過去の翔も満を閉じ込めた後に屋敷を出られていたのは、屋敷の呪いが後押ししたこともあり、悪意をもって満を閉じ込めた、つまり狂ってしまっていたのでしょう。
その後みんなと同じように屋敷から出られなくなっていたのは、単純に事故によって過去の記憶がなかったため、自分は満だと思い込んでいたからで、そこに悪意は存在していなかったためだと思われます。
【狂い月の謎】響也を殺したのは誰なのか
響也が殺人鬼としての一面をさらけ出した後、満を追って彼岸花の部屋を訪れた時のこと。
満がクローゼットに隠れていた時に、部屋を出ようとした響也が何者かによって突然ナイフで刺される。
この時屋敷で生き残っているのは響也と満。
進は分岐次第というところ。
刺される直前、響也は「なっ!?誰だ?」と言っていることから、響也の知らない人物であることが分かる。
ということは響也をやったのは満でも進でもない。
そして響也が倒れた後、満がクローゼットから出るまで満の鼓動音であまり気にしていなかったが、部屋から出ていく時の足音がないのだ。
つまり幽霊なのではという予想から、響也をやったのは回想にたびたび出てくる、この屋敷に亡霊として住み着いている梢なのではないかという推測ができる。
理由はあくまで推測でしかないが、響也の自分勝手な理由で犯罪を犯し、愛する秋人と過ごした屋敷を荒らされたくなかったとか、そんなとこでしょうか。
いっぽう響也をやったのは翔(満)という説も否めなくはない。
響也が誰か分からなかったのは、翔が子供の姿のままだったからというゴリ押し論にはなるが…
翔の白骨遺体が見つかったこの部屋で殺されてしまったという点も含めると、兄弟を守りたかったということも考えられる。
しかし実際にここでの満は翔としてなりすまし、本来の白骨遺体は満だということが分かることを考えれば、助けるというほど甘くはない気がする。
いくら双子に愛情の差があったとはいえ、見ごろしにされたというのはさすがに許せないという怒りの感情があってもおかしくはない。
最後に屋敷を出る満(翔)に対して翔(満)は「かえしてよ…おれのなまえ」というセリフを言う。
そのセリフは恨んでいるというより、兄弟に裏切られたことを本当に悲しんでいるように思え、今でも翔を求めているようにも思えるので、響也から救いたいという気持ちもあったかもしれない。
ただ、刺し方からして響也の心臓と同じくらいの高さで刺すことができる人物になるので、やはり響也をやったのは梢の線が強いでしょう。
さて少し触れましたが、満は実は翔だったということがトゥルーエンド【欠ける月】で分かったわけですが、実はいくつかそれを裏付けるシーンがあったので、次項目でまとめていきます。
満と翔が入れ替わっていることが分かる場面
翔は左利き、満は右利き
トゥルーエンドで満・翔の父親が右綴じの日記を渡したとき、翔は元は左利きだったと言っているシーンがありました。
それはつまり、翔は左利きで満は右利きであるということも証明されています。
しかも元は左利きだったということから、矯正されて右利きになったということも考えられますが、これは単純に満と翔が入れ替わったことを示していました。
そして右利きのはずである満が左利きになっているのも不可解ですよね。
満が左利きになっている(翔と入れ替わっている)ということは以下の2つのシーンで表現されていました。
響也との逃げイベの時木の棒を左手で投げている
※この場面のスクリーンショットは公開できないため、ご自身で確認してください。
響也から逃げ切るイベントで、木の棒を投げるシーン。
ここで満は左で木の棒を投げていて、左利きであることを示しています。
クマのキーホルダーを拾う時左手で拾っている
脱出するとき、梓紗からもらったキーホルダーを拾い上げるとき、左手で拾っています。
またそのとき腕をつかんだ翔(満)は右手、そしてミサンガも右腕につけていることから右利きであることを示す。
満と翔のカラーとオープニング画面に隠された秘密
利き手以外にも2人が入れ替わっていたことを示す描写がありました。
満が赤・翔が青
回想シーンでも分かった通り、2人に服からそれぞれ色分けされていたことがありました。
満は赤で、翔は青とされています。
そこで思い出してほしいのが、ゲーム開始画面のイラストです。
よく見るとこの少年が着ているのは青い服。
この設定だと翔だと思われがちですが、これはストーリーの中ですでに服を交換した後、つまり満が翔の青い服を着ている状態です。
ストーリーをすべて見た後だからこそ分かることですが、この表情からは、名を奪われ満として生き続けている翔を恨み、悲しんでいるような感情が読み取れます。
満として生きるため、入れ替わった後の翔はメガネは赤いものを使用していますが、オープニングムービー中に使用しているイヤホンやノートは青を使っています。
また、トゥルーエンド【欠ける月】で満が「残念だったね」と本性をさらけ出したときに着ていたニットセーターも青なんですよね。
そして物語をすべて終えた後のゲーム開始画面は、赤い月だったのが青い月に変わった状態で狂気めいた翔が映し出されています。
翔しか開けられないはずのダイヤル式の鍵がかかった日記帳
これもトゥルーエンド【欠ける月】で父親が渡した日記の話。
ダイヤル式の鍵がかかっていて、翔本人しか開けられないとされていた日記帳。
最後のゲーム開始画面を見ると右綴じタイプの日記帳は普通に開かれている。
ここでも満が翔に成り代わっていることが分かった。
なぜ翔は満になりたかったのか
回想シーンでは一見仲良く見えた双子の兄弟でしたが、なぜ翔は満になりたかったのか。
その理由をまとめてみました。
翔は満に比べて母親にあまり愛されていなかった
母親の存在が邪魔であるということを響也に煽られて否定できなかった
響也に「母親の束縛から解放されて安心してるくせに」と親嫌いを煽られ、否定できなかった翔。
進からは、虐待があったかどうかかまでは分からないが、母親の翔と満に対する態度に差があったという情報もありました。
また序盤で「病院に行っても母さんに会わせてもらえるか分からないし」という満(翔)のセリフからは、母親が満(翔)に会うと容態が悪化してしまうのでは、という推測ができます。
おそらく満と翔が入れ替わっていることは、親として薄々気づいていたのでしょう。
満を愛し、翔を嫌っていた母親は、満の姿をした翔への嫌悪感がパニックを引き起こしていたように思えます。
この満になりきって愛されようとした翔の様子は、屋敷の過去エピソードの【小夜子に変装して愛されようとした梢】と同じ描写ですね。
母親の偏った愛情によって家庭も崩壊
一瞬で見逃していましたが、オープニングムービーで翔と満と母親の様子が描かれています。
そこで映り込んでいる重要な情報としては、家を出ていく翔を見送る母親と満。
手前には【離婚届】
そして母親を突き飛ばす翔、もしくは満。
話では翔の親権は父親。
翔を見送る満は後ろで手を組んでいたので、実は満も翔が嫌いで「ざまぁみろ」といった描写が描かれていたのかな、とも思ったのですが、進の話では母親の翔に対する態度が満は許せなかったといった話もありました。
これをふまえて考察すると、満が母親に「翔にひどいことするのはもうやめろよ!」という意味で突き飛ばし、翔を母親から遠ざけるため離婚まで話を発展させたのではないかなと思いました。
突き飛ばしたのは単純に翔で、母親がうざくてやっただけかもしれませんが…
どちらにせよ、翔に「母親から解放されて良かったね」の意味を込めてのあのお見送りだったのでしょう。
母親が嬉しそうだったのは、満のいうことなら何でも聞くといったスタンスと、翔と離れられて好都合だったからでしょう。
本編では母親が目を覚まさないという描写もありましたが、翔の姿を思い出したくないために目を覚ましたくないというのが本当の心情なのでしょう。
またこの一連の描写に父親が出てこないことから、父親は満も翔も平等に愛していたものの、母親の満に対する狂った愛情表現は理解できず、あまり関わらないようにしていたように思えます。
最後病院で父親が迎えに来た時も、元妻であるにも関わらずお見舞いにも寄らないところに不自然さを感じましたしね。
満のほうが梓紗と仲が良かった
トゥルーエンド【欠ける月】の病院でのシーン。
刑事さんが屋敷から見つかったミサンガを満(翔)に渡しました。
梓紗はサラッと「昔私が満にあげたお守り」と言っていましたが、これは満にはあげたけど翔にはあげていなかったことを指すことにもなります。
梓紗の性格からしてわざと満だけにあげたわけではなく、単に満とのほうが仲が良かっただけだとは思いますが、翔にとってはやはり満だけ好かれてるんだと差別的に思ってしまったのでしょう。
学校でも翔はいじめられていた
進からは翔が学校でいじめにあっていたことを話していました。
暗い性格、ピアノの練習ばかりで浮いていたと。
進はそのいじめに間接的とはいえ加担してしまい、自分のせいで翔は死んでしまったのでは、とずっと後悔していたようでした。
エンドロールの進の1枚絵では、本当は翔ともサッカーに誘って遊びたかった、素直になれば良かった…というような表情をした進のように思えます。
そして進が階段から落ちたとき、幽霊となった満は進のそばで泣いていました。
自分を責めないでほしい、助けてあげられなくてごめんね、といった気持ちだったのでしょうか。
満の友達思いの性格がさりげなく描かれています。
[小夜子×梢]と[満×翔]のエピソードで共通して分かること
手段を選ばず愛されようとしても本当の幸せは得られない
話の中で月の呪いの恐ろしさが【呪いについて】の説明として書かれていました。
但し、忘れるな。月の力の偉大さを。
満月なれば生ある者も封じられ、如何なる者も、呪いに蝕まれん。
又、忘れるな。人間の愚かさを。
呪いに蝕まれた者、己の影に喰われし時、解放を得られん。
難しいようですが要約すると、呪いという枠を超え、自分の心の底に眠っている負の感情(恨みや妬み)に飲み込まれ、我を忘れてしまったら、もう元の自分には戻れなくなり幸せになることもできず、一生苦しめられることになる、ということでしょう。
梢は小夜子になり秋人に愛されようとしましたが、叶わず。
それどころか、執事や芳子にもその行動は理解してもらえなくなっていましたね。
満に成り代わった翔はどうでしょうか。
母親には変わらず愛されることはなく、いじめられてはいないものの、クラスメイトと馴染んでいるようにも思えません。
双方とも、中身、すなわち性格まではなりきれず幸せにはなれていませんね。
小夜子や満が周りから愛されていたのは、人の良さがあっての信頼の蓄積からということが分かります。
決して梢や翔が人として劣っているわけではなかったのに、比べられたり、いじめや失恋によりその負の感情は悪い方向へと走っていってしまったのでしょう。
小夜子も満も、梢と翔のことは他の人がどう思おうと大切な存在だと思っていたように思えます。
だからこそ、ある意味梢も翔もあのような行動にでてしまったことは、さぞ悲しかったでしょうね。。
人間の奥深い心情を描いたストーリーで、いろいろ考えさせられました。
この感じだと、翔は満に成り代わって今後も過ごしていくのでしょうが、いつかは自己嫌悪に苦しめられ、これで良かったという強がりも限界がきてしまい、いつか周囲にバレたときには梢のように己の呪いに蝕まれていくと思えます。
断片的に見ると梢も翔も最低だと思うところですが、ふたりとももっと自分に自信があったらこんなことにはならなかったように思えますね。
一番の恐怖は人間だ、なんて言葉をよく耳にしますが、本当に納得できます。
梢も屋敷のお手伝いさんとしてよく働いていたようですし、翔もクラシックが好きでピアノもうまかったのでしょう。
人と比べられたとしても、ないものねだりをするのではなく、自分にしかできないことを大切にしてほしかったですよね、、
なんて、つい感情移入をしてしまうほどの素敵なゲームでした!
さてここからは私個人が感動したこととして、ゲーム製作者である3色ぱんさんのゲーム内のこだわりを紹介しています。
【狂い月製作者3色ぱんさんのこだわり】ゲーム内で使用されている月に関する曲
狂い月はタイトル通り、月の呪いに関する物語でした。
ゲーム中では、翔が好きだったクラシックというジャンルで、なおかつ月に関する曲がいくつか使われていましたので、曲に込められた思いなどをまとめてみました。
狂い月ゲーム開始画面・オープニングムービーの曲
ベートーヴェン【月光】
オープニングムービーで使用されていた、誰もが聞いたことのあるクラシック曲。
有名な第1章は切なく深い悲しみを表現したような曲調になっていますが、第2章はとても明るく、第3章は激しい曲調となっています。
この月光という曲は、ベートーヴェンが惚れ込んでいた女性に捧げた曲ともいわれています。
しかしその女性とは別れを余儀なくされたようで、その感情の変化を曲に表しているのかもしれません。
愛する人に振り向いてもらえない切なさ。
どこか狂い月のエピソードとも一致する部分がありますね。
狂い月満と翔の回想シーンの曲
ドビュッシー【月の光】
こちらは満と翔の回想シーンでよく使われていた、静かで心安らぐ音楽ですね。
ドビュッシーは浮気や不倫と言った女性とのトラブルが絶えない男性だったので、そのイメージを覆す曲の繊細さには驚く人も多かったそうです。
曲の解説によると、「楽しくも、悲しくもあるあいまいな世界が描かれている」とのこと。
「満は僕と遊んでて楽しいのかな」
「満は人気者でうらやましい」
「満と遊んでると楽しいな」
などといった翔の複雑な感情にあった曲ともいえるでしょうか。
狂い月の謎解きに使用されたオルゴール曲
バッハ【主よ、人の喜びよ悲しみよ】
御影の間で見つかったオルゴールディスクで流れた曲。
コメントでは「ウサビッチ思い出す」という声もありましたね。
この曲の解説をざっと調べてみましたが、おそらくイエスに対する忠実さを表現しているような曲だと私は解釈しました。
理解力乏しいので違ったらごめんなさい。笑
御影の部屋にあったということで、御影家に長くにわたって継がれてきた思いが何かあったことを示すように思いました。
【おぼろ月夜】
翔のキーホルダーが見つかるルートで使用されていたオルゴール曲。
おぼろ月夜は時の流れと月を表現しているようで、主に夕方から夜にかけてうっすら姿を現していく月のイメージが強いようです。
夕暮れまで遊んでいた満と翔の二人を思うと切なくなる選曲でした。
【狂い月製作者3色ぱんさんのこだわり】 登場人物の名前
満と翔
こちらも月に関するこだわり。
月の様子は「満ちる、欠ける」と表されますね。
また満月の夜は犯罪が増えたり、ドラゴンボールでは悟空が大猿に変身して暴れまわったり(関係ないかな)、心に悪影響を与えるという言い伝えが多く存在します。
今回の黒幕はある意味【満】のほうだったので、満月は人を狂わせる=満だけが狂った、というような解釈をしました。
最後の「あの日はあんなに満月だったのに、残念。欠けちゃったね」という翔の言葉からも、「満という名を奪われ、翔になっちゃったね(死んじゃったね)」なんて嫌味も込められていると思うと、あの笑みの怖さがじわじわきます…!
進は新月?
この流れでいくと進は新月、ということになりそうです。
「すすむ」という字にもある通り、新月は満月に向かってこれから満ちていくスタート地点。
進も後悔していたように、翔をあの屋敷に迷い込ませてしまったのは、いじめていた子と、呼び出した進が原因でもある。
全ての物語の始まりを作ってしまったのは進だ、ということをあらわしているのでしょうか。
響也ならぬ狂夜?
これはキヨも実況中言ってましたね。
響也の響って狂なんじゃねぇの?と。
もっといえば也を夜にすると完璧ですね(笑)
サイコパス殺人鬼にふさわしい名前がつけられました。
小夜子と秋人
このふたりはちょっと強引に考察しますが、小夜子は文字通り「夜」を意味します。
そのなかでも「月が出ている様子」ともいわれるそうです。
いっぽう秋人の「秋」。
秋と月に関わることと言えば「お月見」ですね。
夜に輝く”中秋の名月”を眺めながら、お団子をいただく風情ある光景が目に浮かびます。
お互いなくてはならない、愛し合う2人の関係性を表したような名前だなと思いました。
【狂い月考察まとめ】見方によって考察パターンも様変わり
見れば見るほど考察が止まらなくなる【狂い月】
狂い月の真相はハッキリとさせられていないため、プレイヤーの考察も自由。
このモヤモヤがまた人を惹きつけるのかもしれませんね。
狂い月製作者3色ぱん様公式サイト▼
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