たまたま絶体絶命都市4のゲームレビューを見てみるとおそろしいほどの低評価・批判コメントの嵐だった。
人気ゲーム実況者牛沢の実況を見て絶体絶命都市を知ったのですが、1,2はとても面白いと思ったため、このレビューは異常だと感じた。
確かに絶体絶命都市3はシリーズあるあるともいえるマンネリ感と、ゲームのイメージが少し変わってしまった、という程度で「1・2は越えられなかったかな」という感じ。
しかしそんな3を上回るほど絶体絶命都市4はクソゲーなのかと、牛沢の実況を見て確認することにした。
絶体絶命都市4がクソゲーだといわれてしまった理由
【モラル皆無】いきすぎた選択肢
絶体絶命都市といえば、まぎれこむおふざけ選択肢。
過去作までは面白いで許されることがほとんどだったが、絶体絶命都市4に限ってはとにかく言い過ぎ&常識を疑う選択肢が目立っていた。
お年寄りを罵る選択肢、下敷きになり助けてほしいと言っている女性を見捨てる、金銭交渉する選択肢など。
たとえ面白い展開にしたくても良心が痛むような、冗談でも言ってはいけないセリフが平気で用意されていた。
牛沢も今回ばかりは「これはさすがに選べないだろ」といったコメントをよくしていました。
悪事をはたらく人が得をし、善人が不幸になる展開
これに限っては本当に許せない人が多かったと思う。
前作までは悪事をはたらいた人たちは命を落としたり、制裁を与えられたりできたのだが、今回はそれが全くない。
それどころか面白半分にネタとして使用されているのだ。
その代表的な男がクマザワ。
水不足・食料不足をいいことに、高額で水や食料を難民たちに売りつける最低な男だ。
どこまでも主人公のいくところに現れ、誰もいなくなった店の金庫やレジからお金を盗んで平気な顔をしている。
しかしこの男は罰が当たることもなく、最後まで金儲けをしてゲームは終わってしまう。
それに反して、何の罪もない本当にいい性格のキャラなどは、サラッと災害に巻き込まれ死んでいく。
そういう展開が何度もこのゲームではあるので、怒りがこみ上げることが多々あった。
比嘉夏海(サマーオーシャン)がなんとも適当な展開で死亡
思わず牛沢に「ちょっと嫌いになりそう…このゲーム」と言わせてしまった最悪のシーン。
これはきっと誰も予想できなかった展開で、いちばんあってはならない展開だったと思う。
いじめられていた生徒、山内浩子が飛び降りようとしたのを救出した比嘉夏海と主人公。
いじめのことを知った比嘉夏海に絵里と秀美は説教され、3人は仲良く過ごしていく…そんな風に話が進んでいくと多くの人が思っていたはず。
しかし脱出直後で建物が崩壊し、比嘉夏海だけがあっけなく死亡。
なんとなく悲しいBGMをかけた程度で、最後の言葉も回想シーンなども用意されることもなく、生徒3人が泣き崩れている様子で話は終わってしまったのだ。
何度も大型災害を生き延びてきた女【比嘉夏海】
彼女をこんな形で終わらせてしまったのは本当に最悪だったと思う。
過去作から【夏:サマー】【海:オーシャン】と呼び、愛着の湧いていた牛沢にとっても本当につらい展開だったでしょう。
またその先のストーリーで、かわいいクラウチングスタートを披露してくれた笠原弥生さんまでもが災害を利用して騙され、男性から性的暴力を受けるシーンもあった。
立て続けに残酷なストーリーを並べられ、心苦しく怒りのこみ上げる展開だった。
災害の危機感が伝わらない謎システム【排せつ欲求】
絶体絶命都市では、災害を生き延びるリアルさを出すため、喉の乾きや空腹感などと一体化させた体力ゲージを搭載してきた。
絶体絶命都市1は喉の乾きを潤す【給水ポイント】
絶体絶命都市2は水濡れによって下がった体温を取り戻す【温まりポイント】
絶体絶命都市3は精神的ショック、ストレスによるメンタルを回復する【ベンチポイント】
絶体絶命都市4では空腹を満たす食事行動にくわえ、なぜか【排せつ欲求】が追加。
災害時、断水や建物の崩壊によりトイレが使えないということを想定してのことだが、トイレ中は音姫のようなBGMが流れたり正直ウケ狙いなのかなんなのかもよく分からないシステム。
そのせいか、危機感というものがイマイチ伝わらない。
排せつ欲求がMAXになって放置していても特に漏らしたりする事もないみたいなので、ただただ謎システム。
ストーリーが全部中途半端
たくさんの人と出会い、たくさんのストーリーを見るのだが、話が全て適当&中途半端に終わっている。
霧島(霧:ミスト 島:アイランド)の経営するベストラの株、ダニーや比嘉先生の弟(スプ彦:スプリング彦:春彦)のその後の行方…
結局何も回収できないままに終わってしまうのもモヤモヤだ。
グランゼーラの意図もなんとなくくみ取れる
さんざんなレビューが多いなかでも、ゲーム製作会社であるグランゼーラの意図もなんとなくくみ取れる。
ふざける要素が多かったせいで、批判が目立つ結果になってしまったが、グランゼーラの制作意図も分からないこともない。
例えば…阪神淡路大震災の時に実際にクマザワのような悪徳商売をするような人がいた、という情報なども災害マニュアルで紹介されていた。
胸糞悪い話だが、グランゼーラとしては震災の裏側や、リアルを見せたかったのでしょう。
そういったリアルな話がゲーム的に盛られに盛られ、【白き衣の会】や、佳苗を騙した婚約者智也の所属していた人身売買組織などのストーリーが誕生したのだろう。
前作のようにありえない絶体絶命感ではなく、大地震発生からストーリーが進むにつれ復旧に向かっていくという感じや、下敷きになった人たちの死体が描かれていることなどから見ても、震災のリアルさが追及されている。
やはりおふざけ要素が邪魔をして、不謹慎では…というのが今回の大きな批判をよんでしまったように思える。
ゲーム実況的には不向きで難しいゲームだったが最後までやりきった牛沢
絶体絶命都市1の頃はまだ知名度も低く、「選択ふざけすぎ」「不謹慎」といったコメントをされていることもあった牛沢。
しかしゲーム実況としては本当に難しいゲームだと思う。
ふざけた展開も見たい視聴者もいれば、冗談でもやってはダメでしょ、という意見の視聴者もいる。
今回の絶体絶命都市4に限っては、その意見が大きく分かれるような内容だっただけに、実況者としての立場で見てもコメントは本当に難しかったと思う。
実況者の中には途中で実況をやめてしまう人もいたそうだ。
そしてプレイ中のゲームの批判は実況者としてはタブーである。
そんな中牛沢は、グランゼーラの制作意図も考えながらコメントするシーンもあり、実況者として最後までやり遂げた。
視聴者の中には、「うっしーだからこのゲームの実況を見れた」という感想を言っている人もいたくらいだ。
後日ダウンロードコンテンツまでしっかり実況し、楽しんでいた牛沢。
比嘉ちゃんのことはまだ許せてない、とのことでしたが、絶体絶命都市愛は変わらない様子だった。