キヨの実況作品のフリーホラーゲームのひとつ、”らせんの宿”。
今回は謎の多かったANOTHER ENDの内容を考察・解説してみました!
※この記事はネタバレになります。らせんの宿のストーリーすべてを見終わってから読むことをおすすめします。
忘れた人のために考察元動画を【#】でリンクしていますので、動画を振り返りながら読んでみてください。
らせんの宿 ANOTHER ENDの解釈、考察
ANOTHER ENDは理解すると鳥肌が立った人も多いのではないでしょうか。
しかし一方でよくわからないまま終わってしまったという人はここのENDの意味が分かれば、クリア後の赤い部屋での会話が分かりやすくなります。
ANOTHER ENDの赤ヒナタの重要なセリフ(一部省略)
「やあ…。君の時間感覚に合わせて、久しぶり、と言っておこうか。
見事だったよ、キヨヨ。君はタイヨウの遺骨を運び出し、ヒナタを彼岸へと送り還した。
あの無限ともいえる時間の中で、誰一人果たせなかったことだ。」「しかし、しかしだよキヨヨ。君が生還を果たす一方で、一体どれだけの君が、死を迎えたのだろうね?
10人か…100人か…まさかまさか、その程度のものではない。
あれは特異点だったのだ。君の生還は本来、”起こりえない”出来事なのだ。
知っているだろう?私が何度も君の行く手を遮り、君が死に至るルートを潰していたことを」「さて、ここで質問だ。助からなかった君は誰なんだろうね?」
「君は考えなかったかね?らせんの宿に入る以前の君と、足を踏み入れてしまった後の君、その違いについて。死んでも記憶を失い、肉体を再構成される空間が君に何を及ぼしたのかについて。
――あれはね、命の分岐に等しいのだよ。一人の君が、多数の君に、枝分かれしたということなのだ。」「さて、質問に戻ろう。助からなかった君は誰なのだろうね?」
「そうだよ、その顔だよ。何しろ君は、他の君など知らないのだから、そうやって首をかしげるしかない。
しかし、君にその自覚がないだけで、君ではない君が、あの無限とも言える時間を埋めている。」「破滅を余儀なくされる、らせんの構造は、まさにこの世に生まれ落ちたに過ぎない罪なきあの子たちの慟哭(声をあげて激しく嘆き泣く事)そのものだと。」
「たとえ滅びるにしても、抗い続けた、君たちの物語が、私の存在を呼び寄せ、らせんに一矢報いたのだ」
「君ではないよ。そうそう忘れていた。とある君とここでかわす言葉は、こんな言葉だったね。
「私のこと、覚えているかね?」
この後、幻想絵画の世界で夢を見ていたシーンになり、赤おばさんに捕まった”アオイ”を助けに行く展開でANOTHER ENDとなりました。
赤ヒナタが伝えたかったパラレルワールドの存在
赤ヒナタの話をわかりやすくまとめます。
・キヨヨが生還するというルートは本来”起こりえなかった”が、赤ヒナタが死に至るルートをすべて潰すことにより特異点とし、生還した。
・その一方で多くのキヨヨが死を迎えている。つまり生還できなかったルートが無数に存在する。
・キヨヨの命はらせんの宿に迷い込んだのち、多数に枝分かれした。
この命が枝分かれした、というのは死に至るまでの過程が異なったキヨヨが無数に存在するということです。
例えば簡単に枝分かれを表すと、
Aパターン⇒カケルに殺されたキヨヨ
Bパターン⇒赤おばさんに殺されたキヨヨ
Cパターン⇒自殺したキヨヨ
こんな感じですが、Aパターンのなかでも
A-1⇒カケルに刃物で殺されたキヨヨ
A-2⇒カケルと口げんかになり殺されたキヨヨ
A-3⇒カケルからサクラを守ろうとして殺されたキヨヨ
このように分けることができます。
ループの中で宿の構成や仲間の行動が変化することにより、キヨヨの行動も変化し、無数の死のルートを生み出していることになります。
つまりパラレルワールドが存在するということです。
パラレルワールドとは…
Wikipedia 参照
ある世界(時空)から分岐し、それに並行して存在する別の世界(時空)を指す。並行世界、並行宇宙、並行時空ともいう。
ここで思い出して欲しいのが、【#4】の幻想絵画の中で別のキヨヨが廊下で赤おばさんから逃げているシーンがありましたが、あれはパラレルワールドのキヨヨをあらわしていました。
他の考察ではらせんの宿の他のプレイヤーも含むセーブデータの数だけ死の数があるというのもありましたが、私はこれを否定します。
なぜなら、赤ヒナタが別プレイヤーの干渉をしているとしたら…
「君はタイヨウの遺骨を運び出し、ヒナタを彼岸へと送り還した。
あの無限ともいえる時間の中で、誰一人果たせなかったことだ。」
これでは、らせんの宿を他にクリアした人はいないことになりますよね。
他のプレイヤーもクリア(生還)していればこの表現はせず、君ではない君もどこかで生還を果たしているだろうね、とか言いそうなものです(笑)
話がそれましたが、パラレルワールドがあることを理解すれば、このANOTHER ENDはの意味は分かると思います。
実はこのANOTHER ENDのキヨヨは赤ヒナタに会うのは初めてです。
【#4】の時、幻想絵画の中で夢で会ってるじゃん!と思うかもしれませんが、あのキヨヨが夢の中で赤ヒナタに会っていたのはまた別時間軸のキヨヨです。
なぜなら、ANOTHER ENDの最後にこのキヨヨは”アオイ”を助けに行くと言っていましたよね。
でも【#4】の時は”サクラ”を助けに行きました。
つまりこれも行動の変化などによりまた展開の違う時間軸が存在していた、ということです。
ではなぜ最初に赤ヒナタは久しぶりと言ったのか。
そもそも赤ヒナタが話しかけているのはキヨヨではなくこのゲームの”プレイヤー”です。
キヨヨは赤ヒナタには初めて会いますが、プレイヤーは赤ヒナタを見るのは【#4】の幻想絵画の時から2度目です。
「君の時間感覚に合わせて、久しぶり、と言っておこうか。」
君の時間感覚、の”君”というのがプレイヤーを意味します。
ゲーム序盤からANOTHER ENDにたどり着くまでに要した私たちの時間感覚で言えば、「久しぶり」という言葉に納得がいきますね。
そしてこのセリフ。
「君ではないよ。そうそう忘れていた。とある君とここでかわす言葉は、こんな言葉だったね。」
「私のこと、覚えているかね?」
(誰と話してる!?)
赤ヒナタに初めて会うキヨヨは会話の内容も、誰に問いかけてるのかすら理解することはできません。
これもプレイヤーにしか分からない会話です。
私たちプレイヤーは、別時間軸のキヨヨに「私のこと、覚えているかね?」と言っているのを知っていますが、
キヨヨは別時間軸のキヨヨを知ることはないからです。
そしてこの質問。
「助からなかった君は、誰なのだろうね?」
この質問にはキヨヨはまず答えられません。
どの時間軸のキヨヨも、別時間軸に自分の存在があることを知らないからです。
ここからは私の予想ですが、この質問の答えは、プレイヤーである私達も分かりません。
というより、時間軸が存在する数だけ、無数に存在しすぎていてどれが本来のキヨヨであるのかは見当がつかないからです。
私はそう考えました。
これは私たち自身にも当てはまることだと思います。
例えば車を運転して会社に向かう自分がいる。
普通に会社についた自分がいても、別時間軸にはもしかしたら交通事故にあっている自分がいるかもしれない。
本当の自分の座標はいったいどこなのか…自分という存在は本当に自分なのか…それは誰にもわかりませんね。
バタフライ効果、というものにより私たちのパラレルワールドは無限に分岐していくということです。
バタフライ効果とは…
Wikipedia 参照
力学系の状態にわずかな変化を与えると、そのわずかな変化が無かった場合とは、その後の系の状態が大きく異なってしまうという現象。
これを説明してくれているのが【#6】(22分44秒あたり)防空壕の上にいる黒い人です。
なにげなく拾った石がらせんの壁に亀裂を入れる、みたいなセリフだったと思いますが、これはつまり、
石を拾わなかったキヨヨ→壁を壊す発想ができず、先に進めない
石を拾ったキヨヨ→壁を壊し、先に進むことができ、らせんの宿の探索が進む
石を拾うか拾わないかという小さな違いで、その先の未来が大きく変わる、ということですね。
ANOTHER END、科学的な話も出てきて理解できればすごく深い話でした。
今生きている君は…誰なのだろうね?
って言われたらゾッとします…
次の記事ではクリア後の”赤い部屋”で分かったことをもとに、らせんの宿の真相をまとめました!!
ぜひ続いてこちらも読んでみてください。
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