前記事(らせんの宿のアナザーエンド真相を考察してみた)で、ANOTHER ENDではパラレルワールドの話がされていたことをお伝えしました。
それをふまえて今回はクリア後に訪れる赤い部屋で分かったことをまとめ、らせんの宿の真相をさらに考察してみました。
※ストーリーネタバレになりますので番外編の”赤い部屋”まですべて見終わってから読むことをおすすめします。
今回も【#】で参考元動画をリンクしています。忘れた方はもう一度実況動画を見てみてください。
らせんの宿 登場人物
まずは改めて登場人物のおさらいです。
【主人公】
キヨヨ。口数が少なく、ボーっとしてることが多いがいざというときは男らしさを見せる
【ユウマ】
キヨヨの中学時代からの付き合いで、よく遊んでいる。妹思いで怖がり。
【サクラ】
ユウマの妹。ホラー映画は好きだが実際の恐怖体験は苦手。密かにキヨヨに思いを寄せている
【アオイ】
キヨヨの中学時代からの付き合いで、男勝りな性格のトラブルメーカー。
【カケル】
キヨヨより前からループを繰り返していた。自分を犠牲にしてでも友達を助ける熱い男。
【菅原リン】
崖から姉を突き落とし、殺害した過去がある。彼女も宿でのループを繰り返しており、らせんの宿についてたくさんの情報を持っている。
【ゴロウ】
聞く耳を持たず、いつも好き勝手行動している。
【ヒナタ】
らせんの宿での最重要人物。
【タイヨウ】
ヒナタの弟。ヒナタと同様亡くなっている。
【赤ヒナタ】
ヒナタを救済する者が現れず、タイヨウの死を自分で認めることしかできなかったヒナタ。
【赤おばさん】
らせんの宿にいる化け物。詳細は後ほど。
【アシュリー】
赤おばさんの元凶となった絵画のモデルになった女の子。家政婦に虐待され、農薬を飲まされ続け死に至った。
【虎ヒナタ】
キヨヨの姉。なんとなく未来が分かっているような発言をする。
【松葉ユキアツ】
有名な登山家であり、ヒナタの心に初めて向き合った人物。
【松葉タイヨウ】
ヒナタの弟と同じ名前をつけてもらったユキアツの子供。
【間宮】
過去に民宿に泊まっていた。息子を交通事故で亡くしている。赤おばさんの元凶となった絵画を買った人物。
【三原イオ・マナ】
キヨヨより前にループを経験していた兄妹。兄イオは妹マナを助けられなかったことを悔やんでいる。
赤い部屋での赤ヒナタへの質問で分かったこと
ここ(赤い部屋)はどこだ。
らせんの宿から切り離された異空間。
遥か未来の世界のようなもので、赤ヒナタが苦心の末作り上げた。
お前(赤ヒナタ)は誰だ。
誰も救済できなかった本来の時間軸にいたヒナタの未来の姿。
この赤ヒナタはタイヨウ君の死を長年らせんの宿をさまよい続けた末、自分自身で認めた。
キヨヨがヒナタを救済でき、生還できたのは、あくまでも赤ヒナタが死に至るルートを潰し、特異点としたからで、赤ヒナタの干渉を受けなかった本来のキヨヨは仲間とともにらせんの宿も脱出できず、朽ち果てている。
赤ヒナタの干渉を受け、キヨヨが救済したヒナタが存在するのは事実だが、そのヒナタは赤ヒナタのいた時間軸とはまた別のヒナタのため、赤ヒナタ自身はなにも変わらなかった。
赤おばさんとは何者?
子供の目線で見た大人そのもの。
子供のころ、自分より大きく見えていたものを覚えているだろうか。
ガードレールやドアのノブなど、きっと自分に害のないものは覚えていないはず。
しかし、その大きく強く見えているものから暴力を受けようものならその恐ろしさは耐え難いものである。
強く大きな大人に対して、子供はあまりに無力であったために、無残にも命を奪われた無数の子供たちの怨霊が、赤おばさんを形成している。
その核である存在が、家政婦に農薬を飲まされ続けて死に至ったアシュリーである。
アシュリーは生者を傷つけようとは毛頭思っていないが、他の子供(赤おばさん)たちはアシュリーの意思に反して暴力をふるい、殺戮を繰り返している。
【#8】で探索した謎の地下にいた子供の霊や、キヨがちびまる子軍団と言っていた子供はおそらく赤おばさんになる前の状態だと思います。
子供の姿から徐々に赤おばさんに進化していく演出もあったため、恨みの強さや幼少期受けていた虐待の重さにより、姿が違うのでは…と思いました。
赤おばさんがヒナタに近づかず、攻撃もしなかった理由は、母親に置き去りにされて亡くなってしまったヒナタに、虐待されて亡くなってしまったという点で、仲間意識をもっていたから。
そしてヒナタに関わってくるキヨヨや松葉ユキアツは、ヒナタにまたひどいことをしようとする大人だと警戒され、特に赤おばさん達から敵対視されていた。
今後について
キヨヨの今後
キヨヨが赤い部屋に来てしまったのは都合が悪いため、記憶を消す必要がある。
赤ヒナタは”セルフゼロ”と名付けた人物に警戒している。
赤ヒナタの今後
アシュリーと共に自分たちの物語を終わらせることが赤ヒナタの夢である。
キヨヨが生還した遥か未来にタイヨウという青年がらせんの宿にやってくる。
赤い部屋にあった”らせん考察文書"の内容
「時系列を考えれば奇妙である。
間宮という男は、絵の中から聞こえてくる、囁き声に従って、民宿に一年間滞在した。その期間中、何度か赤おばさんが目撃され、それが噂となって民宿は廃業に追い込まれた。
そして誰もいなくなった民宿にヒナタが現れる。絵画を持つ間宮が民宿に来てからきっかり一年後に。
ヒナタの後悔によって生み出された、らせんの下で、赤おばさんはより凶悪な存在となった。
元凶がアシュリーの父であることははっきりしている。
彼が描いたものは、鎮魂でありつつも、この世界に不気味な均衡を要求するものだったのだから。
彼は”最初からすべてを知っていた”。未来に起こることも、ヒナタの存在も、その死も。
それはもはや、人間の範疇を超えている。普通の人間とは異なった何か…。
私はもう一人、特異な人間を知っている。セルフゼロと名付けた彼…彼もまた不思議な力を具えている。
しかし、セルフゼロと言えども、未来を読み解き、時間を遡ることなど、できはしない。
アシュリーの父と、セルフゼロは別物と考えるべきか。」
セルフゼロとは何者なのか
番外編で何度も出てくるセルフゼロという名前。
赤ヒナタはキヨヨのことをそう呼んでいるがどういうことなのか。
セルフゼロとは、キヨヨを操作しているプレイヤー(キヨ)を指します。
それを裏付けるのが【#16】で赤い部屋を出る前に、キヨヨが虎ヒナタとした会話の中での一言。
キヨヨは覚えていなくても、セルフゼロは覚えてる。きっとうまくやってくれる。
キヨヨはこの赤い部屋を出る際に、赤ヒナタによって記憶を消されるため、虎ヒナタに松葉ユキアツに直接会いに行ってほしいと言われたことも忘れてしまいますが、私たちプレイヤーはこの一連のやり取りを覚えています。
キヨヨも理解はしていないものの、それらしいことを実は考えていました。
【#16】守護霊たちのお茶会の時です。
「これは、らせんの宿の例外なのだろう。誰かに見せるための…。そんな気がする。」
誰かに見せる、つまり私たちプレイヤーに見せるためのらせんの宿の番外編ですよってことだと思います。
一方で、アシュリーの父は結局何者だったの?と思った方もいるのではないでしょうか。
私が出した結論から言うと、アシュリーの父はおそらくこのゲームの製作者さん(赤コワさん)を指しているのだと思います。
アシュリーの父が全ての元凶であるというのは、製作者さんがこのゲーム作ったことで物語は始まってしまった、ということだと思います。
そしてここの部分。
セルフゼロとアシュリーの父の違いです。
「アシュリーの父は”最初からすべてを知っていた”。未来に起こることも、ヒナタの存在も、その死も。」
「セルフゼロと言えども、未来を読み解き、時間を遡ることなど、できはしない。
アシュリーの父と、セルフゼロは別物と考えるべきか。」
アシュリーの父(製作者さん)はこの物語を作った人なので、間宮が絵画を手に入れ民宿が廃業し、ヒナタは助からなかった…そしてその先どうなるかも、すべてのエピソードを知っている、ということです。
逆にセルフゼロ(プレイヤー)は、”最初から”すべてを知ってはいませんね。
ゲームをプレイする前からヒナタが登場することは知りえないし、民宿の過去に何があったか知ることもありません。
しかしここで例外があります。
普通はすべてのストーリーとアナザーエンドを見て赤ヒナタが赤い部屋に入っていくシーンを見てそこのロックを解除するという流れですが、もし、プレイヤーがゲームを始める前から攻略を見て、この赤い部屋のパスワードを知り、物語の途中で赤い部屋に入ってしまったら…
ここで思い出してほしいのがキヨヨの今後について質問した時の赤ヒナタの回答。
「実を言うとね、君がここに来てしまったのは非常によろしくないことなのだよ。いろんな意味で…。」
「私がセルフゼロと名付けた君には、少々警戒している。」
いろんな意味というのはおそらく赤ヒナタにとっては、特異点を生み出し、ヒナタを光に還したという時間軸を壊されたくないという意味がメインですが、攻略を見てストーリーが終わる前にいきなりこの部屋に入ってこられるとゲームバランスが崩れるじゃないか、という製作者さんの気持ちも含まれているように思えました。
赤ヒナタがプレイヤーであるセルフゼロを警戒するのは、ゲーム内の赤ヒナタにとってセルフゼロは予想もできない行動をするから、でしょうね。
あの子救済計画。めぼしい者たちの人形
らせんの宿で、ヒナタの救済に近しかった人達の情報。
<24期生。彼が最初に可能性を示した>
松葉ユキアツ。
タイヨウ君を外に連れて行ってあげたいというヒナタのお願いを叶えるため、タイヨウ君の遺骨を運び出そうとしたが、ヒナタがタイヨウ君の死を受け入れていなかったため、生還はしたもののヒナタを救うことはできなかった。
<忘れえぬ55期生。才能の塊のような兄とあの子の心に影響を与えた利発な妹>
三原イオ・マナ兄妹。
足も頭の回転も速かった。
しかし兄のイオはヒナタと出会う回数が少なく、正規の脱出方法に気づくことができなかったため、囮脱出計画ばかり実行していていた。
妹のマナはヒナタと仲良くしていたが、脱出のために囮を使う、という方法に心を病み、ループを諦め、ヒナタと向き合うこともできなくなった。
【#7】でマナの亡霊は「お兄ちゃん…。あたしたちは最初から間違っていた。民宿から逃げるのではなく、向き合う必要があった。ヒナタちゃんと…どうしてかそんな気がする。」と言っていた。
そして【#9】でイオの亡霊の話を聞くことができるのだが、やはりイオは囮を使うことでしか脱出方法はないと思っていた。
結局同じことを繰り返し、二人とも遠い過去、らせんの中へ葬られていった。
<78期生。間接的とはいえ、あの子と縁のある者が現れた>
キヨヨ(セルフゼロ)とカケル。
間接的にあの子と縁のある者、というのはヒナタと話したことのある虎ヒナタの弟がキヨヨであったということ。
このキヨヨを特異点とし、ヒナタを光の中へ送り還すことに成功したが、赤ヒナタの干渉を受けなかった本来のキヨヨ達は生還すらできていない。
<特異点からの帰還後に現れた128期生>
松葉タイヨウ。
松葉ユキアツの子供。
ユキアツとキヨヨから話を聞き、らせんの宿の情報を最初から有していた。虎ヒナタ曰く、赤ヒナタを助けに来たらしいがその詳細は不明。
最後に回収したENDを振り返り、伏線をまとめました。赤ヒナタのセリフにも注目です。
END一覧 赤ヒナタが発した言葉の伏線と解説
BAD END 1 -怖いんだもの- 【#3】
「求めていたのは君ではなかったか。しかし奇妙だ、怖いのは誰もが同じとは言え、こうまで冷静さを失う男ではないと思っていたが、まさか、今のは…セ……」
ユウマとともにサクラを助けに行く展開で、キヨヨは怖くなって民宿を飛び出してしまいBAD END。
セ……というのはおそらく、セルフゼロの仕業か…的なことを言いたかったのではないかと思います。
BAD END 2 -オアイ- 【#5】
「”終わり”ではなく”同じ”と言いたかったのだろうね、赤おばさんは。
殴りかかってくる君の姿に、赤おばさんは”かつての自分”を重ね合わせたのだろう。
むろん、君に意思表示をしたというよりは、単なる感情の発露だろうけどね。」
赤おばさんと戦うも、もちろん敵うこともなくBAD END。唯一赤おばさんが”オアイと”喋るシーンでした。
虐待を受けていた子供の怨霊で形成された赤おばさんは、過去、恐怖の対象だった大人に必死に抵抗していた幼少期の姿と、敵いもしない赤おばさんに必死に殴りかかってくるキヨヨの姿を重ね合わせていた、ということ。
BAD END 3 -ゴロウさんと俺- 【#10】
「…。なぜこんなことになってしまったのだろうね。
この座標こそが、特異点だと思っていたが。
新たに選定しなおすのはやむを得ないとしても、この終わり方は、実に腹立たしいよ。
キヨヨ、ゴロウの手まで握って…。一体どうしちゃったんだ、君は。まさかこれもセ…。」
このBAD ENDには深い意味はないと思います。ちょっとしたギャグエンドなのかなと…。
どう考えてもゴロウに騙されているのに、突然ゴロウ信者となったキヨヨには赤ヒナタも唖然。
今までのキヨヨからは想像できない行動をとったことから、まさかこれもセルフゼロの仕業か?と言いたかったのでは。
BAD END 4 -幸福な世界- 【#11】
「哀れな。友人を見捨てた罪悪感で、気が触れてしまったか。
出口まであと一歩というところだったのだがね。」
カケルを囮にし、生還した、、ように思えたが、実際は生還しておらず、キヨヨはおかしくなってしまいました。
声優、目指してたんですね。キヨヨは。
NOMAL END 【#12】
許してくれよ、キヨヨ。
私は一つ前の座標を、特異点とし、君を生還させるつもりだった。
それは本当のことだ。
けれど失敗した。
…そして、この座標は、君が真実にたどり着くには適さない。
建物の構成もやっかいだが、何よりヒナタの心が君から大きく離れてしまった。ここでの救済は難しい。
…ばいばい。キヨヨ。」
バラバラに走って赤おばさんを振り切ろうと5人で脱出を試みたが、失敗。
キヨヨはサクラに防空壕に向かわせ、サクラだけ記憶を維持させ、あとはリンに話を聞いてくれとループすることを託した。
そしてサクラだけが記憶を維持し、次の時間軸へ。
民宿の入り口にヒナタがやってきて、キヨヨにリンが一つ前の時間軸で死んでしまったことを伝えるが、キヨヨの記憶はなくなっているため、ヒナタを知らなければ、リンを知ることもないため理解不能だった。
サクラは記憶は維持しているが、幽霊であるヒナタと会ったことがないため、パニックになり、どうしていいのか分からなくなってしまった。
ヒナタの心に近づいていたキヨヨもリンもループを経て記憶をなくしてしまったために、ヒナタと面識のないサクラが記憶を維持してループしても、この時間軸でヒナタの救済はできないだろう、という意味のENDでした。
TRUE END 【#15】
帰り道にヒナタという女の子とタマキ君という男の子の姉弟とその母親とすれ違う。
キヨヨはヒナタとタイヨウ君も生きていればこの姉弟のようにじゃれあい、母親と仲良く暮らしたかっただろうなと思い、二人ともどうか健やかに、と願った。
特に深い意味はなく、感動の終わりだったなと思ってましたが…。
このTRUE ENDの伏線予想を次記事で公開します。
ANOTHER END 【#15】
赤ヒナタによる、パラレルワールドの話。
前記事 らせんの宿ANOTHER END考察記事 参照。
なにげなく読んでいただけのセリフや文章にたくさんの意味が込められていることに感動でした。
めっちゃ好きです、らせんの宿。
製作者さん、今でも続編楽しみです。
キヨ、こんな素晴らしいゲームを実況してくれてありがとう!
そしてらせんの宿の今までの考察をもとに、らせんの宿のその後、つまり128期生タイヨウの物語を勝手に予想してみました!
ぜひこちらもお楽しみいただけたらと思います。