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【神作ホラゲー】怪異症候群で取り上げられた都市伝説”裏S区”あらすじ

【神作ホラゲー】怪異症候群で取り上げられた都市伝説”裏S区”あらすじ

人気ゲーム実況者キヨが昔実況した、都市伝説を交えたフリーホラーゲーム怪異症候群。

トラウマ級のホラー展開の中にも、思わずクスっと笑ってしまう個性の強い登場人物たちのやりとりや、仲間と助け合う感動のシーンなど、どんどん物語に引き込まれていく神作。

ゲームの中では、実際に言い伝えられている都市伝説をオマージュしたようなストーリーがいくつか作られている。

今回はその中でも特に恐怖を感じた作品【裏S区】の元ネタを小説風にし、分かりやすく紹介します。

この物語は登場人物が多いため、一人称視点、つまり今から記事を読むあなた自身を”僕”目線として物語を書いていきます。

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裏S区のあらすじ

裏S区に住む友人Aが豹変

僕は九州のとある地域、S区に住んでいる。

僕の通うS区の学校にいつも一緒に登校している友人Aは、裏S区という地域の出身だ。

高校生1年生の頃、彼は突然変わってしまった。

今まで仲が良かったのに、毎日のように殴る蹴るの暴力を振るってくるようになった。

それも、うっすらと笑みを浮かべ、何も言わずにただひたすらに僕を殴ってくる。。

まるでサイコパス。彼に理由を聞いても答えてくれない。

そんな日々は何日も続き、僕はずっと耐え続けた…

【神作ホラゲー】怪異症候群で取り上げられた都市伝説”裏S区”あらすじ

なぜか僕をいじめていた友人Aのほうが不登校に…

あれだけ毎日のように僕に暴力を振るっていたAは、突然学校に来なくなってしまった。

それから僕は教師にとんでもないことを聞かれる。

「お前があいつのことをいじめてたんだろ?」
「あいつはお前が怖いと言って学校に来れなくなったんだ」

…ワケが分からない。

暴力を受けていたのは僕のほうなのに…一体先生は何を見て僕が彼をいじめていたと思えるのか…

先生や周りの友達が信用できなくなり、僕は学校に行くのをやめることにした。

【神作ホラゲー】怪異症候群で取り上げられた都市伝説”裏S区”あらすじ

始まった怪奇現象…不快に耳に残る音と、目の当たりにしたありえない光景

登校拒否を続けていたある日。

僕の住むマンションのエレベーターに乗ろうと、ホールで待っていた時…

「ギイィィーー…」という奇声を聞いた後、ドーーーーーン!というものすごい音が聞こえてきた。

恐る恐る音がした外のほうを見ると…

そこには見るに堪えない死体が横たわっていた。

さっきの音はどうやら自転車置き場の屋根に自殺者が落ちてぶつかった音…

そんなことを考えていた矢先、背後に嫌な気配を感じた。

(……どういうことだ…)

エレベーター近くの螺旋階段から人が降りて来ている。

その人物は、まさに今僕の後ろに転がっていた死体の人物そのものだったのだ。

(何がおきている…)

♪ピン

その時エレベーターの到着音が鳴る。

エレベーターのほうを向くと

さっき聞いたばかりのドーーーーーンという音が聞こえてきたのだ…

それも一度ではなく…ドーーーーーン、ドーーーーーン、ドーーーーーンと繰り返し僕の頭の中に響いてくる。

僕はそれからの記憶がなく、意識を失ってしまっていた。

交わる異常者

あの後僕は病院に運ばれ、1週間ほど入院した。

なんとか日常生活に戻ることはできたが、ドーンという音がずっと耳から離れない。

僕は学校に行くようになったが、Aの姿はまだ見当たらなかった。

あの不快な音が耳に響き渡り、体調を崩す日もしばしばあった。

(今日は早退しよう…)

昼休みに早退し、家に帰っていると、見覚えのある人に出会った。

学校に郷土史の授業に来ていた人。

この人はAの叔父さんにあたる人物だ。

しかし叔父さんはいつもと様子が違っていた。

僕を見るなり、「あ~…」と言い出しお経を唱えてきたのだ。

Aからの暴行、エレベーターでの事件、止まらない不快音。

僕自身に起きている数々の怪奇現象のようなもので精神的にまいっていたこともあり、叔父さんの失礼な態度に腹立たしくなり、気付いたら叔父さんに殴りかかっていた。

血縁者であるAに対する怒りも同時に込みあげ、僕はひたすらに罵声をあびせながら叔父さんを蹴り続けた。

…しかし叔父さんは笑っていた。

「ははは…!やっと会えたわ。なるほど。そりゃAも****やな」

「…何を言っている!」と僕は怒りのままに聞き返しても叔父さんは動じなかった。

「いいから。俺が良いって言うまで君は黙っとき。」

取っ組み合いをし続けていると、また僕の耳にドーンという音が響いた。

僕は音のした方へ振り向くと、そこには細くて血まみれの顔があった。

顔は半分しかなく、血をたらしたまま、不気味に笑いながらピクピクと動いていた。

僕はその顔を見た瞬間、叔父さんに殴られ気を失ってしまった。

目が覚めると僕は自宅にいた。

リビングに行くと、僕の両親と、Aの叔父さんと叔母さんがなにやら話し合いをしていた。

僕はさっきのことを思い出し、また叔父さんに怒りが込み上げ、思わず殴りかかってしまった。

両親に止められ、なんとか理性を取り戻した。

叔父さんは僕に謝罪をし、今僕の身に何が起きているのかを話し始めた。

明かされていく裏S区の真実

A達が住んでいる地域は”裏S区”と呼ばれ、霊の通り道とも言われている。

そのせいか、そこに住んでいる者はほとんどが霊感を持っているという。

本来見えなくていいものが見え、聞こえるはずのないものが聞こえてくるという現象に生涯悩まされるがために、突然発狂してしまう人間も少なくないそうだ。

叔父さんが僕を見るなり、お経を唱え始めたのは、僕に何かが憑いていると感じたからで、殴ったのは単純に霊を追い払うためだったという。

僕を突然殴り始めたAも、その霊感のせいで発狂したのかと叔父さんに尋ねると、そうともいえないらしい。

叔父さんの家系では、霊の対処法として”笑うこと”としている。

霊に対して”余裕”を見せるためだ。

さらに、憑かれている人を叩くことで霊が逃げ出していくといわれている。

Aは発狂したのではなく、僕に憑いている何かを必死で追い払おうとしてくれていたのだ。

しかし、どうやら僕に憑いていたモノはあまりに強力すぎたらしく、Aには対処できず、僕自身を恐れるようになってしまったという。

本来はお経も唱える必要があったみたいだが、Aはまだ見よう見まねでしかできず、笑いながら殴るということしかしていなかったために、僕はいじめられているとしか感じなかったというわけだ。

僕に対してのAの不可解な行動が、少しずつ紐解かれていくと同時に、僕に何かが憑いている恐怖も込み上げてきた。

「ベランダに何か見えるか?」

そう叔父さんが聞いてきたので、ベランダに視線をうつしてみると…

…いる。確かにいる。

エレベーターでの事件の時に見たアレとは…また別のモノだ。

「…家の中には入れないみたいだが…君に憑いているのは間違いない。」と、叔父さんが淡々と伝えてくる。

僕は再び恐怖で狂いそうになった。

憑きモノ

僕に憑いているモノは2つあると、叔父さんは話を続けた。

ひとつはこの間飛び降り自殺をした霊。

もうひとつは、厳密にいうと霊ではなく、叔父さんの家系で‘****‘と呼ばれるものだという。

****を口にすると移ってしまうため、言葉にはできないらしい。

叔父さんがこの時、****のことをなんと呼んでいたのか、僕は思い出そうとしても思い出せなかった。

さっきベランダにいたのは、飛び降り自殺した霊で、あの現場にたまたま居合わせてしまったことで憑いてしまったという。

Aが追い払おうとしていたのはこの霊ではなく、強力な霊気を持つ****のほうだった。

僕は叔父さんと叔母さんにお祓いをしてもらい、ベランダにいた霊は見えなくなった。

****も一緒に祓ってくれたそうだ。

これですべて終わったのか、僕の不安は消えないままだったが、そこにいたモノが見えなくなっただけでも気持ちは少し楽になった。

Aの死、裏S区の異常

それから僕は普段通り学校に行くようになった。

しかし、それと引き換えるようにAに異常が起き、行方不明になったことを知る。

Aが行方不明になって3日目の朝、僕は再び「どーーーーーん!」という音を聞く。

夢だと思いたかったが、後にAが飛び降り自殺をしたこと、自殺した時間帯が僕が音を聞いたのと同じぐらいだったと分かり、僕の体験と彼の自殺が関連づいてしまったことで再び恐怖を味わうこととなった。

ーーーーーーーAは遺書を残していた。

「ごめん、本当に悪かった。多分俺らの家系はちょっと頭がおかしいのが多いんやと思う。自分の家系のせいにしたくないけど、お前を殴ったのは本当に悪かった。ごめん。」

と、僕に対する謝罪の言葉が並べてあった。

そしてAの通夜の光景は、一般的な通夜とはかけ離れたものだった。

遺影は飾られておらず、棺桶にAの名前を書いた紙が大量に貼り付けられている。

叔父さんが言うには、遺影を置くと、見るに堪えないほどまでに顔が変形してしまうそうだ。

棺桶に名前を書いた紙を貼るのは、こいつは****ではないと示す意味があるという。

通夜会場で、僕はAの父親に声をかけられ、Aが家出したときに残した手紙を見せてもらった。

「あいつに****が憑いてたけど、今はずっと俺を殺そうと見張っている。叔父さんがあいつの御祓いしたから、俺に来たようだ。お父さんは御祓いできないだろうから、別居しているお母さんの方に行ってみる」

僕がお祓いをしてもらったあの日、****はAの元へ行ってしまったというのか…

間接的にAを苦しめ、命を絶たせてしまったことの罪悪感が、僕に突如としてのしかかってきた。

****の正体とは

Aの葬儀から数日後、叔母さんが僕に憑いていたモノの正体を語ってくれた。

****は、Aのおばあさんで、飛び降り自殺した人は裏S区出身で****に追いかけられていたそうだ。

****が僕に憑りついた理由は不明だが、Aの自宅に行ったときに憑りついたのではないのかという。

僕は、飛び降り自殺した人を見たときのことや、叔父さんに殴られる前に見た、半分だけの血まみれの顔は何だったのか聞いてみた。

螺旋階段で見た光景は、自殺した人が、自分が死んだと気づかずに自分の体を取りに行こうとしていた場面ではないかとのこと。

霊体は体を取りに行くのを邪魔されると呪いをかけるそうだ。

僕は邪魔なんかしていないが、エレベーターを呼んだときの「ピン」という音で、邪魔されたと思って取り憑いてしまったのだという。

もうひとつの血まみれの半顔は、そいつこそが****らしい。

Aの父親は自分の母の霊だと分かっていたので、お祓いを躊躇していたが、Aが死んでしまったことで、腹を決めてお祓いをしたという。

****の正体が分かっても、なぜAは死ななければならなかったのか、なぜ僕にそのことを今になって話すのか、、疑問は多く残るばかりだった。

ーーーーーーしばらく話を聞き、叔母さんが帰ることになり玄関まで見送った。

しかしなぜか叔母さんの様子が急変する。

玄関を出た直後に、「あはははははは!」と笑いだしたのだ。

「早く帰れ!」という怒鳴り声も聞こえた。

しばらくして声が聞こえなくなり、僕の父が外を見ると、叔母さんはまだエレベーターホールでニヤニヤしていたそうだ…。

その後、僕たち家族は有名な神社で御祓いを受け、家も引っ越した。

引っ越し先もS区だったが、他の地区の学校に転入し、それ以降は裏S区に近づくこともなかった。

裏S区は現在、新S区と名前を変えているが、地域性自体は変わっていないらしい。

叔母さんとは一切関わりを絶ったので、その後どうなったのかは、もう僕には知る由もない。

裏S区の感想まとめ

音などのトラウマになりやすいものがじわじわ恐怖感を強める

こういった話は、読者のイメージで音や霊が想像されるため、想像力豊かな人や、音に敏感な人はより恐怖感が増したのではないでしょうか。

今回も主人公の頭の中で鳴り響く、どーーーーーんという音。

鈍い音かもしれないし、破裂音のようなものかもしれない。

自分が同じ体験をしていたらと思うと、主人公が狂ってしまうのにも共感が得られる。

読み手自身が、知らぬ間に恐怖の世界に入り込んでいってしまう物語の構成だったと思う。

裏S区は実在するのか

北九州市のとある地域と冒頭にあった。

諸説あるようですが、裏S区は門司港だという説が濃厚だそう。

下記サイトにて考察されている方がいらっしゃいましたので、参考として掲載させていただき、ここでは内容の説明は割愛させていただきます。

このように実際にある地域を匂わせることで、自分の周りにも、Aの家族のような人たちが実はいるんじゃないかという不安を煽られ、自分にも起こりうる恐怖を身近に感じる話だった。

口にしてはいけない****

結局****の意味することは誰にも分からないし、きっと正解もないのだろうが、調べてはいけない、踏み込んではいけないものだと思えば思うほど知りたくなるのが人間。

その人間性をうまく利用した****の話。

真実を知ってしまえば自分に憑くかもしれないと分かっていながらも、この話を読んだ後に、****の本当の意味を調べた人は数多くいることでしょう。

叔母さんの不可解な行動

最後の最後。叔母さんは主人公の家を出て笑っていた。

まだそこに****の姿があったのか、それともAが憑依して主人公を守り続けるために笑っていたのか。

ここの詳細も想像でしかない展開だったため、改めて物語を読み直し、いろんな方面から考察すると怖いものがあった。

Aの家系がおかしかっただけなのではないかという考察もあったが、それはそれで強い洗脳のようなものが垣間見えて、怖かっただろう。

まとめ

不鮮明な箇所が多いぶん、読み手の想像力により恐怖感を強める話だったなという印象でした。

考察をしていけば、歴史に関わる部分も多いため、ストーリー自体が好きな人も多いのではないかと思います。

少し難解な話ではありましたが、理解すればするほど怖くなる感じが私は好きでした。

部落差別や裏S区は、もう存在しないものだと信じたいものですが……

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